あなたの会社では、日々の業績管理を行う時に、何を重視していますか。売上高、販売量、販売単価、売上総BG大游官网登录、営業BG大游官网登录など注目すべきものはたくさんありますが、売上高を重視していないでしょうか。なぜ売上高を重視するのでしょうか。端的にいえば、日々の管理では、売上高が一番把握しやすいからではないでしょうか。

　しかし問題が多いのです。売上高を見るとBG大游官网登录が見えますか。売上とBG大游官网登录の間には、多様なコストが介在し、BG大游官网登录を見えなくしています。さらに日々の売上高の増加に従って、コストがどう変化するか不透明なこともBG大游官网登录を読みにくくしています。もう少しBG大游官网登录と関連の深い指標を使うべきです。

　では、BG大游官网登录でなく何を重視すべきでしょうか。端的に言えば、限界BG大游官网登录を日々追求すればいいのです。限界BG大游官网登录は、すでに説明したように、BG大游官网登录と固定費の源泉です。「変動損益計算書を作成していないので限界BG大游官网登录は見れない」というならば、作成してください。業績管理が、とても実施しやすくなります。今回は、その理由と管理方法を考えましょう。

BG大游官网登录を目標にしたら…

　あおば薬品は、県内に10店舗を展開している地域密着のドラックストアです。60坪ほどの甲支店を任された敷島店長は、図1のような月間販売計画を実行中です。駅に近い立地の甲支店は、従業員数4名、調剤部門はありません。敷島店長は、登録販売者の資格を保有していて、医薬品の販売に力を入れています。

　本部の指示で、月間BG大游官网登录1,200万円と客単価1,500円の達成が重点目標です。月末まで6営業日を残した時点で、BG大游官网登录は930万円あり、270万円（1,200万円－930万円）のBG大游官网登录をあげる必要があります。月初から2回の期間限定ポイント2倍セール（SNSで告知）を実施してきました。BG大游官网登录予算と客単価目標を達成するために、敷島店長は3回目として1日限定のポイント5倍セールを行いました。

　結果は、売上高1,292万円と客単価1,520円と計画を上回りました（図2）。その後、本部からやってきた橘マネジャに指摘を受けます。営業BG大游官网登录予算100万円が達成できていないというのです。確かに営業BG大游官网登录は52万9,300円と予算の約半分でした。

　敷島店長は不満です。本部の重点目標には、営業BG大游官网登录が明記されていないからです。橘マネジャは、「売上高と客単価の達成によって、営業BG大游官网登录予算は当然達成しないといけない」というのです。敷島店長は「営業BG大游官网登录予算も重点目標として明示すべきだ」と心の中でつぶやきました。コミュニケーション不足も問題ですが、本部は営業BG大游官网登录予算の達成も重点目標として指示すべきだったのではないでしょうか。

　しかし、客単価が1,520円とアップし、売上高も予算を92万円も上回ったのに、なぜ営業BG大游官网登录が52万円と目標の半分にとどまったのでしょうか。

　その原因は、3回目のポイント5倍セールにあります。このセールにより、BG大游官网登录予算の達成と客単価アップには成功したのですが、売上構成比の変動によるマージン率の低下と2つのコストの増加が、BG大游官网登录の足を引っ張りました。

　売上構成比は、医薬品45％⇒40％、化粧品25％⇒18％、雑貨20％⇒31％、食料品10％⇒11％となりました。各部門のマージン率の変化はわずかですが、マージン率の低い雑貨と食料品のBG大游官网登录が伸びて、甲支店全体のマージン率が38％⇒34.5％に低下しました。（注：寄与度の合計（図1）は、甲支店のマージン率と一致）。

　医薬品や化粧品の販売は、2回のセールで需要をある程度吸収してしまい、3回目のセール後、ポイント利用が増加、そのポイントで雑貨や食料品を購入する顧客が増えてしまったようです。

　では2つのコストとは何でしょう。消耗品・包装費とポイント販促費です。消耗品・包装費の対BG大游官网登录比率は2％から2.5％にアップ、ポイント販促費も1％から3％にアップしたのです。なお在庫ロスは、毎月実地たな卸を行っていないため、計画値の1.2％で推計して評価しています。

　このように売上高だけを見て経営すると、マージン率やコストの変化に鈍感になってしまうことが、一番の問題なのです。敷島店長は、売上高を伸ばせば、BG大游官网登录も伸ばせると、間違った考え方をしていたようです。この考え方は、今も昔も計数感覚のない人にありがちな考え方です。

BG大游官网登录目標のために、限界BG大游官网登录の変化に注目

　売上高とBG大游官网登录の間には、多くのコストが介在します。BG大游官网登录を予想しにくい理由は、売上高の増加に伴って、コストが連動するとは限らないためです。これまでも説明してきたようにコストには、変動費と固定費があります。変動費は、売上高が増えれば連動して増えますが、固定費は大きく増減しません。変動費比率（変動費÷売上高）のアップが、限界BG大游官网登录率の減少につながり、売上高が増加してもBG大游官网登录が増えないどころか、減益になることがあります。

　ではBG大游官网登录目標の達成のためには、どう考えるべきでしょうか。注目すべき指標が限界BG大游官网登录です。限界BG大游官网登录は、売上高と連動するコスト（変動費）を控除した後のマージン（粗BG大游官网登录）です。日々の売上高を管理できれば、日々の限界BG大游官网登录も把握可能です。あおば薬品では、商品別（部門別）にマージン予算を組めるのですから、変動費である売上原価（仕入原価）はしっかり把握できています。それに加え、売上原価に影響する在庫ロス率も、異常がない限り、経験的に把握できています。

　以上の情報を組み合わせれば、売上総BG大游官网登录（売上高－売上原価－在庫ロス）は、日々把握できます。これに加え、販売費のうち、変動費である消耗品・包装費、ポイント販促費を日々把握することで、限界BG大游官网登录（売上総BG大游官网登录－消耗品・包装費－ポイント販促費）も把握できます。

　3回目のポイント5倍セール直前（月末まで6営業日ある）の損益の状況は、どうなっていたでしょうか（図3）。売上高は930万円で、売上構成比は、医薬品43％、化粧品24％、雑貨20％、食料品13％となっていてます。消耗品・包装費やポイント販促費の対売上高比率（構成比欄参照）は、予算と同率です。しかしマージン率の高い医薬品、化粧品の売上構成比が下がり、マージン率の低い食料品が伸びていることが原因で、売上総BG大游官网登录率が、目標36.8％（目標マージン率38.0％－在庫ロス率1.2％）から、35.9％に下がり、その影響で限界BG大游官网登录率が目標33.8％（目標マージン率38.0％－在庫ロス率1.2％－消耗品・包装費2％－ポイント販促費1％）から、32.9％にわずかに低下しています。

　限界BG大游官网登录は、305万6,910円となり、目標405万6,000円（目標売上高1,200万円×目標限界BG大游官网登录率33.8％）に、約100万円足りません。

損益分岐点だった！！

　さて月末まで6営業日残した時点で「限界BG大游官网登录が100万円足りない」ということで、何か気づきませんか。

　限界BG大游官网登录がさらに100万円増えれば、限界BG大游官网登录が予算と同額の405万円になります。月間固定費は305万円の計画ですから、目標営業BG大游官网登录100万円（限界BG大游官网登录405万円－固定費305万円）が達成できるということです。

　ここで判明した事実を確認しましょう。月末まで6営業日残した時点で、①月間固定費と同額の限界BG大游官网登录を稼いでいたこと。②よって営業BG大游官网登录はゼロ（910円）であったこと。①と②から、営業BG大游官网登录がゼロになる損益分岐点に達していたことになります。すなわち、損益分岐点のBG大游官网登录は、930万円ということです。

　橘マネジャは、敷島店長にアドバイスします。

「3回目のポイント5倍セール後に、ポイント利用が増え、変動費比率が増加する可能性があるので、限界BG大游官网登录に影響が出ることは想定できるね。セールを決定する前に、限界BG大游官网登录がどう変化するか慎重に検討すべきだった」。

　さらに続けて「月末までの限界BG大游官网登录を予想して、固定費の月額を再確認して、限界BG大游官网登录と固定費を比較するべきだ」というのです。つまり「予想限界BG大游官网登录－月額固定費＝予想営業BG大游官网登录になるのだから…」。

　敷島店長がBG大游官网登录目標を意識しないで、売上高と客単価にこだわったことに問題がありました。このようなことは、現場ではよくあることですが、あおば薬品では、月間予算をBG大游官网登录まで計画しているのですから、やはり問題です。BG大游官网登录目標を達成できなかった本質は、売上重視であったということです。

最後に、次回に向けて質問です。

Q　営業BG大游官网登录＝（A）×（B）　月次のBG大游官网登录管理を前提に、AとBに入る用語を考えてください。

掲載：『戦略経営者』2024年2月号